コインランドリーでコインランドリーの映画を見たら…

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コインランドリーでコインランドリーの映画を見たら… コインランドリーでコインランドリーの映画��を見たら…
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コインランドリーと読書、コインランドリーとアート、コインランドリーと映画。 
そんな発信ができたらと、バルコはいつも夢見ている。 

「新進気鋭の製作・配給スタジオ「A24」が贈る、コインランドリーとマルチバースを舞台にしたアクション・エンターテインメント映画『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』(エブエブ)のプロモーションに協力してほしい」 
映画宣伝配給会社さんから、そんなご相談を受けた私たち”チームバルコ“の胸はときめいた。 

「A24」といえば、第89回アカデミー作品賞に輝いた『ムーンライト』や、『レディ・バード』(2017年)や『ミッドサマー』(2019年)など、映画ファンなら心躍る、世界的な映画制作会社。
「A24」がコインランドリーを舞台の映画を作り、その日本でのプロモーションにバルコがかかわることができるのだ。

映画『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』のタイアップ企画。そのお話をくださった映画宣伝配給会社さんとの、はじめての打合せで、図々しくもチームバルコはこんなお願いをさせていただいた。
「チラシの配布やポスターの掲示だけではない、バルコならではの“体験“を作り、発信したいんです」 

「そうですね、例えばコインランドリーを試写会の会場にしてしまう、とかできないでしょうか」と先方の担当者さん。

「コインランドリーの映画をコインランドリーで上映したら」 
素敵なご提案だった。考えれば考えるほど映画の世界観にピッタリの非日常感が味わえる気がしてくる。乾燥機がぐるぐる回る空間で、近所の人が、入れ替わり立ち替わり入っては出ていく、混沌とした空間で、見ず知らずのもの同士がスクリーンに注目し、笑ったり、涙を流したりする。 

わくわくする。 

「絶対、面白くなりますね!」
 

もちろん、簡単なことではない。

 海外や国内のコインランドリーで「映画上映会を開催した」という記事は読んだことがあるし、代々木上原店のイベントとして、検討したことはあった。 
ただコストやスクリーンの設置などを含めた実現可能性を考えると、ずっと二の足を踏んできたのだ。 

それから3ヶ月、映画の放映スケジュールが迫る中、怒涛の試写会準備が始まった。
 

まず、権利の問題。

当然、映画は著作権で保護されているし、ましてや公開前に放映をしようとするのであれば、当然、「試写会」という位置付けで、製作者からの承認を得る必要がある。これは映画配給会社さんのご尽力でクリアすることができた。
 

次に会場の問題。

映画をコインランドリーで上映するとして、本当に洗濯をしている人の横で、乾燥機の音に耐えながら見ることが素敵な映画体験になるのか。逆に、「洗濯しようとしたらコインランドリーで映画鑑賞会をやっていて、洗濯しながら、気が気じゃなかった」と思わせてしまっても良いのか。
悩ましい判断ではあったが、今回はバルコの旗艦店、代々木上原店を貸し切りにして、半日だけ、コインランドリーを試写会会場に作り変えることに。

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会場となる代々木上原店の店内
 

客席は。

せっかく貸し切りにして実施をするのなら一人でもたくさんの人に見ていただきたい。ただ、今回の映画は2時間半の大作。スペースの小さなスツールのような椅子では、シートが固くて疲れてしまい、翌日の生活にまで響いてしまうだろう。
席を詰めていきたい気持ちと、2時間半の映画を苦痛なく見ていただきたい気持ちが拮抗する。
図面を確認して、現地に椅子を並べて、席数は20席に決める。ゆったりと座れて、映画監督感も味わえるディレクターズチェアを選定した。
 

開催一ヶ月前。

私たちと同じように、イベントを「わくわくする!」と思ってくれる人はいるのだろうか、という不安を気持ちよく裏切って、予約フォームには250以上のご応募が集まった。
身を切る思いで抽選。
映画配給会社さんの募集に応募してくださった方と合わせて20名の方に当選のご連絡をさせていただき、ようやく試写会のかたちが見えてくる。

実際にスクリーンと投影機材でコインランドリーを「映画館」に変えてくださる協力会社さんのロケハン。ここでひとつの問題が露呈する。
映写機と、スクリーン、最前列の位置の関係で、投影サイズが高さ90cm、大きめの家庭用テレビほどになってしまう可能性があるというのだ。
この問題にはチームバルコは「なんとかなりませんか・・・」と、涙を浮かべた目で協力会社さんにすがるしかなかった。その道のプロである協力会社さんは「やれるだけ、当日調整してみます」と男前に応えてくださった。
 

当日。

20人での鑑賞に見合ったサイズのスクリーンができるだろうか。
時間通りにセットアップができるだろうか。
お客さまは本当にきてくださるだろうか、満足してくださるだろうか。

スクリーンが立てられ、音響機材が配置され、会場が整って行くに連れて、不安はかき消されていく。並べられたディレクターズチェアにお客さまが座りはじめ、ドーナツを食べながら上映開始を待つ。今まで見たことのない、代々木上原店の景色に。不安が再びわくわくに変わった。

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アカデミー賞総ナメの140分。

もちろん試写会の時点では「ノミネートされた」状態だったが、映画『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』は2023年作品賞、監督賞、主演女優賞など7部門を受賞することになる。
映画自体の評論は、専門の方に任せるとして、様々な人生のジャンクションのような空間としてコインランドリーが描かれていることに、チームバルコの心は躍った。

そして実は、映画の本筋以外にバルコの上映会にはもうひとつハイライトがあった。
映画が中盤を越え、ミシェル・ヨー 演じる主人公のエブリンが自分の力で「ある問題」に立ち向かおうとしたあたりで、上原の特徴である大きな窓ガラスを覆っていた暗幕が、重さに耐えかねて端から少しずつ落ち始めたのだ。
再び焦りに駆られるチームバルコと映画配給会社さんの面々。
ついに「バサリ」と暗幕がすべて剥がれ落ちたとき、私たちは対策の検討しようと店舗の外に滑り出た。
「さあどうしましょうか」と店内の方を見ると、ちょうどミシェル・ヨーが中国の伝統芸能の衣装をきて、スクリーンに大写しになっていた。 

街頭も少ない代々木上原店舗。暗いコインランドリーの店内に浮かぶスクリーン。色鮮やかな中国伝統衣装をきたミシェル・ヨー。投影された光を鈍く反射する乾燥機の丸い窓。この上ない美しい光景に思えた。

「このまま行きましょうか」自然と関係者一同が同意した。
実際どうにか映画を遮らずに暗幕を直す方法を考えたが、どうしようもなかったのも事実。
公開前の映画なので、本来、不特定多数の目に触れる状態であってはならない。
店舗の前で立ち止まって鑑賞する方がないように、店舗の前にスタッフを配置した。
見慣れない光景に目を留めてくださったご近所の皆様は、「面白そう、映画館で見ますね!」と素敵な反応で、通りすぎていく。

まぎれもなく「非日常」の光景があった。

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最後に、試写会にご参加いただいたお客さま。せっかく洗濯に訪れたコインランドリーが試写会に変わっていて、ご迷惑をおかけしまったにもかかわらず、笑顔でお許しいただいたお客さま。
チームとなって試写会を実現させてくださった配給会社の皆さま、このプロジェクトに力を貸してくださったすべてのかたに、深く感謝いたします。

ありがとうございました。

また、次回のバルコムービーナイトまで。


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