今日は「どうなつ日和」。金沢から、おいしいドーナツと洗濯のはなし
金沢には、洗濯をしながら出来立てのドーナツを食べられるバルコの店舗があります。 ランドリーカフェのドーナツだからといって妥協しない、専門店の美味しさを届けたい。 「どうなつ日和」というブランド名には、洗濯に気持ちの良い日を意味する「洗濯日和」という言葉にちなんで、洗濯も、ドーナツも楽しめる場所にしたいという思いを込めました。
早起き、どうなつ日和
朝6時、まだ空も明るくならないうちに、どうなつ日和の1日は始まります。
店内で粉から練った生地に、手作業でクリームやあんこを包みながらリング状に成形していき、発酵させたら、ふんわり黄金色に揚げていきます。それからデコレーション。職人が2人で朝の6時から作業して、1日に作れるドーナツは最大でも350個ほど。効率が良いとは言えなくても、食べて幸福感を感じるようなドーナツを目指して、ひとつひとつ手間をかけて作ります。
日本の、金沢のドーナツ
北海道産の小麦だけを使用した生地の美味しさを、一番に感じることができる、シンプルな「みるく」。
甘く煮詰めたりんごとカスタードクリームを生地で包み、シナモンシュガーとホワイトチョコでデコレーションした「アップルシナモン」。
コーヒー生地にキャラメルチップを散りばめた「キャラメルマキアート」。
素材の美味しさとアイディアが詰まったメニューの中で、ひときわ「どうなつ日和」らしさが際立つのが、「加賀棒ほうじ茶クリーム」などの、地元金沢の食材を使ったドーナツです。「五郎島金時いも」や「あんこ」など和の食材と、北海道産小麦の生地の美味しさが調和した、金沢限定ドーナツメニューはお店の人気商品。地元の生産者さんから分けていただいた貴重な食材を使用して作っています。
目移りしてしまうような、20種類ほどの定番ドーナツに加えて、2~3ヶ月ごとに限定ドーナツが 仲間入りします。
撮影をした4月は「さくら抹茶ドーナツ」。
生地の中に、求肥(ぎゅうひ)、桜あん、抹茶クリームの3つのフィリングを包み込み、リングにしていく工程は、熟練の職人でも苦戦する難しさ。ひと口食べて驚きがあり、季節感を感じてもらえるドーナツを目指して新しいメニューを生み出しています。
いつもの幸せ
2022年7月に誕生した「どうなつ日和」。
毎日少しずつファンのお客さまが増えていく中で、2024年1月1日に能登半島地震が発生しました。
ガスや水が止まり、備品が床に散乱してしまうなどの被害を受けましたが、一日も早く日常を取り戻そうと、1月3日に営業を開始。スタッフもそれぞれ被災しましたが、来店される方が「カフェがあいていて良かった」と喜んでくださる声を励みに、営業を続けました。
震災から数日すると、震災の影響で地域が断水し、毎日の洗濯もままならない被災者の方が10km、20kmと運転してランドリーに来店されるように。
ポリタンクを持って「水を入れて行っていいですか?」とおっしゃるお客さま。
数日ぶりの洗濯をしながら、ドーナツを食べて、「しあわせだなあ」と声をかけてくれるお客さま。